専門学校の外国人留学生を採用する企業の声
企業の皆様は、グローバル人材に何を求め、日々どのように働かれているのでしょうか。企業アンケートや経験値の異なる企業様にお話を伺って、現場のニーズを探ります。
採用企業の声
従業員の4分の1が外国人材、今後も採用を予定しているというホテルの人事担当者にお話をお伺いしました。外国人材への独自の研修など働きやすい環境づくりについてもお話しいただきました。
採用企業
株式会社カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント CANDEO HOTELS
人材強化プロジェクト統括責任者
田端 浩章さん
外国人観光客のホテル利用者の急増に対応するため、母国語での接客は当然のこととなっています。
専門学校卒業生
REGMI NARAYAN PRASAD
レグミ・ナラヤン・プラサドさん
- 出身国:ネパール
- 出身学校名、専攻名:
大阪YMCA国際専門学校 卒業
国際ホテル学科 ホテルコース 卒業 - 卒業年度:2017年3月
- 入社:2017年4月
- 日本留学のきっかけ:サービスレベルの高い仕事を探していた時、ホテルは優れたホスピタリティを学べる職場だと思い浮かびました。その中でも世界No.1のおもてなしをしている国は日本だと知り、世界最高峰のホスピタリティサービスを学ぶために日本に来ました。
外国人従業員を積極的に採用しています。
弊社ホテルのお客様は、観光が5割でそのうち外国人観光客は、40人に1人と増加傾向です。団体旅行から個人旅行にシフトしていく中、多種多様なご要望にお応えするには、お客様への母国語での接客は必須。現在従業員の26%が外国人で、これからも積極的に採用予定です。
私たちは日本のおもてなしを提供しています。外国人従業員も同様におもてなしを学び、働けるように研修を行い、また、働きやすい環境づくりをしています。
まずは、日本の職場に慣れてもらうこと。そして、日本で楽しく働いてもらうことです。そのためには、日本に来た目的や将来の夢、どんな想いを抱き日本に来てくれたのか?そしてどうなりたいのか?どうありたいのか?そういったことを棚卸ししながら、自分の思い描く未来に近づくためのキャリアを描いていきます。日常生活はわからないことがたくさんあると思いますが、いつでも相談してよいと伝えています。また、同じ国の仲間とのつながりが持てるように顔合わせをするなど、早くチームになじめるような工夫を行っています。
留学生採用のポイントはミスマッチを起こさないこと。外国人の採用面接には同じ出身国の従業員に同席してもらうことがあります。
外国人を面接する際、同じ出身国の従業員に同席してもらっています。これは、当社に合うか合わないか、接客業務向きかどうかは判断できても、文化の違い、歴史的背景、地域特性などネイティブにしか理解できないお国柄のようなもののマッチングは、日本人にはわかりませんので、そういう部分を助けていただいています。
日本のおもてなしを身につけて、お客様と日本の橋渡しをしてほしい。
プラサドさんには日本のおもてなしを身につけ、ネパールのお客様をはじめとする外国人観光客にご満足いただけるサービスをしていただきたいと思います。お客様に日本での素敵な旅の思い出を持って帰ってもらえるようにスタッフ一同努力を続けています。
大阪の採用企業へのアンケート結果
Q1.「グローバル人材に求める能力」貴社が外国人を採用するなら、下記の項目をどの程度求めますか?
下記の項目を「非常に求める」と選んだ企業の割合
(「非常に求める」、「やや求める」、「どちらとも言えない」、「あまり求めない」、「まったく求めない」の中から)
- 日本語の能力 53.8%
- モラルをわきまえている 42.9%
- 勤勉である、礼儀正しい 38.2%
- 協調性がある、相手のことによく気がつく 31.9%
- 外国語の能力(英語、母国語) 29.4%
- 成功に向かって努力する力 27.3%
- 出身国と日本の発想を切り替えられる 20.2%
- 日本の情緒がわかる 16.0%
- 専門的な知識や技能 11.8%
- 外国人ならではの感性や発想力 6.3%
Q2.貴社が留学生を採用する場合、求める出身国・地域をお答えください。(複数回答)
(回答企業238社中、「今後採用意向あり」企業138社の複数回答)
- 1位 ベトナム 48.6%
- 2位 中国 39.1%
- 3位 台湾 29.0%
- 4位 韓国 27.5%
- 5位 ミャンマー 23.9%
- 6位 インドネシア 22.5%
- 7位 マレーシア 18.1%
- 8位 フィリピン 17.4%
- 9位 ネパール 11.6%
- 10位 ブラジル 9.4%
- 11位 ペルー 7.2%
- 12位 その他 26.8%
Q3.留学生に期待することは?
- 日本語力
- コミュニケーション力
- 日本と母国の橋渡し
- 専門知識
- 社内のグローバル化に貢献
- 日本の魅力を世界へ発信
- 日本人も留学生も区別なく、能力があれば採用したい。
Q4.採用してわかったことは?
- 母国の風習や習慣、宗教への理解が必要。
- 管理職になるためには一定の現場経験が必要であることを理解してほしい。
Q5.採用時の苦労は?
- マッチングが重要。留学生が望まない職場だと離職率が上がる。
- 就労ビザが取得できなかった。
Q6.大阪で学び、働くグローバル人材に何を期待しますか?(自由回答)
日本語力
- 言葉使いがうまい方、語学の習熟
- 日本語力向上
日本語以外の語学力
- 英語力など
コミュニケーション能力
専門知識
- あるレベルの専門技術の習得
- 自己の技術を企業のためにどう生かすかを明確に。
組織、社内の活性化やグローバル化、ダイバーシティ化
- 組織の活性化
- 社内のグローバル化、ダイバーシティ化
- 社内における多様性の確保
- グローバルな視点
- 他の従業員への良い刺激
- 異文化交流によるまわりへの国際感覚の意識付け
日本と自国の橋渡し、自国や日本で「日本の魅力」を発信する広報的役割
- 橋渡し
- 母国で大阪の情報を多くの方に発信
- 日本と他国との連携強化
- 母国で就職・起業
- 訪日外国人へのおもてなし、日本の魅力の発信
日本文化、社会への理解
- 日本文化・習慣の十分な理解
- 日本の文化の良いところを勉強してほしい
- 日本人社員と調和ができる人材
- 異文化に対する順応性
外国人ならではの新しい視点、アイデア等の提供
- 異文化で育った留学生からの新たな視点
- 新たな発想の提供
- 留学生だけがもつ能力を発揮
Q1, Q2出典:平成27年度 文部科学省委託事業 専修学校留学生就職アシスト事業「外国人留学生の採用に関する調査」
主催:一般社団法人職業教育・キャリア教育財団、一般社団法人大阪府専修学校各種学校連合会
共催:大阪商工会議所
調査対象:大阪商工会議所会員企業 238社
実施期間:2015年11月
Q3〜6出典:外国人留学生採用交流会 参加者アンケート 一般社団法人大阪府専修学校各種学校連合会
調査対象:アンケート回収数96件[対象:計145名(企業73名、専門学校46名、行政等10名、その他16名)]
実施期間:2017年11月13日